ずばり私の造語です。すいません。
強烈な個性を持つシングルモルトを直接対決することで、「モルト経験値」を上げて、家呑みの楽しみを爆上げする技のことです。
きっかけ
ビアフライトってご存知ですか?
最近のビアバーでは、タップと呼ばれるビールの注ぎ口があり、最近では数本から数十本のタップが設置されています。
その一部のお店で、数種類のビールを、テイスターグラスに通常より少量注いで飲ませてくれる、いわばビールのお試しセットのようなものを「ビアフライト」と呼びます。
このビアフライトで文字通り「ちびちび色々」と飲むのが好きなのですが、最寄り駅から徒歩1時間半のド田舎に住んでいて、なかなか気軽に呑みに行けません。
そこでぜひとも家飲みでビアフライトをやってみたいと思いつき、このビアフライトセットを購入したのです。
下の黒板みたいのが、ビアフライトのセット。
ところがこのビアフライトセットを試すまで、とても大きな問題に気づかなかったのです。
このビアフライトセットで、4種類のビールを飲み比べるためには、4つのビールを同時に開ける必要がある。
しかし私の家の中で飲むのは私だけなので、これをやるのがいかにハードルが高いかということです。
かくして購入して一発で、このセットはお蔵入りになるところでした。
「モルトバトル」の発見
私はいつも、クラフトビールから開始して、食後にシングルモルトに移行するのがルーチンです。
ここでクラフトビールを飲み終わったあとに気づいたのです。
このビアフライトセットをシングルモルトに適用したら、どうなるのかと。
ビールから シングルモルトへ!
この気付きから「モルトバトル」を発見したのです。
「モルトバトル」の方法
飲みたいボトルと同数のグラスを準備して、シングルモルトを注ぎ、同時並行的に比べながら飲む。ただそれだけです。
ですがこの「同時に飲む」、これだけでお酒から受け取る情報量が加速度的に増え、明確にキャラクターの違いが分かるのです。
また比較の際に「お題」を設定し、比較すると楽しみは一気に膨らみます。
私の飲み方は、まずワンフィンガーの半分くらいの15ml程度をグラスに注ぎ、常温でストレートを堪能します。
その後に、ほんの数滴、加水して飲み、その次にモルトと水が一対一で水割りにして飲むというルーチンで飲んでいます。
「モルトバトル」のメリット
ここでシングルモルトで行う「モルトバトル」のメリットについて紹介します。
シングルモルトの多様性を楽しむことが出来る
近年のクラフトビールブームによって、日本国内でも色々な種類のビールを買うことは可能ですが、毎回バトルごとに集めるのは、家飲みではなかなか困難です。
それに対し、シングルモルトは、作られた地域、醸造所、熟成年数、製造時、アルコール度数、樽フィニッシュ、ボトラーズモルトといった色々なテーマで、「バトル(飲み比べ)」することが可能です。
「お題」の設定方法については、これから徐々にお伝えしたいと思います。
元来、シングルモルトはウイスキーの主流であるブレンデッドウイスキーを作る際に、キャラクターを決めるためのキーモルトとして、スパイスのように使われます。
なので、それぞれのキャラクターも際立っており、飲み比べること、またそれぞれの特徴をつかむのが、本当に楽しいのです。
一緒に飲むことで、差が歴然となる
今まで、シングルモルトを飲むときは、1種類のんだら、飲み終わって、同じグラスをゆすいでから、次を飲むというフローでした。
それを別々のグラスに入れて、同時にそれぞれ飲むというフローに変えたところ、明確な違いがありました。
特に影響があったのが、ストレートで飲んでから、次は加水して飲むというフローだったのですが、これだとストレート及び水割りでの直接対決が出来なかったのです。
個別にグラスに注ぐことにより、ストレートと水割りしたそれぞれを、直接比較することが出来るようになりました。
少ない量で注げる
ビールやワインなどは開封して、すぐに飲む必要があります。(キャッパー等を使えば、ちょっとは保存できるのですが…)
それがシングルモルトなら、好きなときに、好きなだけの量を注いで飲めます。
少なく注いで飲めるので、一日にいろいろな「モルトバトル」を楽しむことができるのです。
新旧対決が出来る
よくバーなどで飲んでいると、この酒は、昔の旧瓶の方が、色々旨かったなどと言われることがあります
ちなみにシングルモルトは、開封後、コルク栓の状態が悪いとか、ボトルの残量が少ないなどの悪条件がない限り、腐ることはありません。(ただし保存状態によっては、気が抜けてしまったりはします。)
そのためシングルモルトでは、旧瓶と新しい瓶の違いを直接対決が出来るのです。(当然のことながら、旧瓶を持っていての話ではありますが…)
モルトバトルのデメリット
複数のボトルを「飼う」必要がある
比べるための複数のボトルを買ってキープする必要があります。
でもボトルを持てば持つほど、自在に「お題」を設定することができるようになり、楽しみは確実に倍増します。
近年、シングルモルトのオールドボトルや、国産物の価格が急騰しています。
なのでシングルモルトを投機的に買う方も増えていると聞きますが、私はお酒は開封して飲むことにこそ、価値があると信じています。
ボトルの置き場に困る
ド田舎在住の私は、あまり問題ないですが、そんなのどこに置くのという方も多いかと思います。
なんとかがんばって確保しましょう。
まとめ
「モルトバトル」の楽しみ、それはシングルモルトを同時対決することで、別々に飲んでいたときよりも、あきらかに違いが分かるようになります。
またバトルする際には、シングルモルトの持っているスペックに沿った「お題」を設定することで、その違いがどういうことなのか分かる。これが至高の楽しみなのです。
なんの「お題」で競わせるかを考えるだけで、本当にワクワクします。
これから「モルトバトル』の魅力を最大限伝えるために、シングルモルトのスペックに基づく「お題」を設定し、ちょっと試してみたいなと思わせられるような「モルトバトル」を紹介して行きたいと思います。